いわゆる〝絶景〟ではない。辺りにはありふれた草木や笹藪が猛々と生えて、向こうに350メートル足らずのけっして美しいとは言えない、形のいびつな山が見えるだけの場所である。しかしそんな場所でさえ一度身を置いてみれば、ミクロからマクロの膨大に存在する世界に圧倒され、自分がいかに他愛もない存在であることを思い知る。
その世界の複雑さは無秩序で野蛮で時に暴力的にさえ感じる。しかしこの巨大で無限なる世界には人知を遥かに超えた一つの法則があって、それが全てを制御し、動かしている……きっとそうだ、そうに違いない……と、ココに来る度いつも私の想像を掻き立てる。
札幌も、秋シリーズは今回で終了です。
12月からは師走の札幌の姿をお届けします。