1980年代の後半、
次世代のフラッグシップ車の開発を急いでいた。
開発を担当したルイジ・マルミロール氏は新型車の名前を決めるにあたり
数十もの候補を用意していた。
ランボルギーニの車名といえば伝統的に闘牛に由来しているモノが多い。
例えばミウラは闘牛の牧場主の名が由来であり
エスパーダは闘牛の剣
ウラッコは小さな牝牛
ムルシエラゴは雄牛
アヴェンタドールも雄牛の名前である。
闘牛ということなのでスペイン語の辞書を取り出し
まず闘牛に由来しているかは前提とせず
音感が良く一度聞いたら忘れないような言葉を片っ端からピックアップしたそうだ。
そしてある日、それらを当時の幹部達に配り投票してもらうことにした。
結果一番支持されたのが〝 Diablo ディアブロ 〟だった。
この言葉はイタリア語読みで〝 悪魔 〟を意味し
よくよく調べてみると
嘗てスペインに〝 Diablo ディアブロ 〟という凶暴な闘牛が
偶然にも実在していたことが分かった。
1869年、マドリッドの闘牛場で闘牛士 ホセ・デ・ララと闘ったあの牛のことである。
100年以上も前からこの車の誕生がまるで運命付けられていたような奇跡に
マルミロール氏は驚き感動した……というエピソードである。