The Art from Hokkaido by SHIRAKAWA Hiromichi

Japanese artist's gallery and diary

【貌花 KAOBANA#5】 厄介なモティーフ

 

               ガーベラ / Gerbera

 


ほんの少し毛羽立つ太めで長い茎の先端に

カラフルでまん丸に咲く花がただ一つ。

 

こういう〝 単純の極み 〟みたいのが一番頭を悩ませる。

誰が写しても同じようなのができてしまうから。

〝 葉っぱ 〟一枚でもあれば画に〝 変化 〟をつけられるのだが

通常我々が店で手に入れることが出来るガーベラは

〝 葉っぱ 〟の付いてないモノがほとんどだろう。

 

だからライティング変えたり

画面の中で動かしてズラしてみたり……何とかして

自分なりの〝 画 〟に仕上げようとするのだが。

 

余計なコトし過ぎれば一番大事な部分が疎かになってしまうし…

かといって誰もがやる平凡な〝 画 〟にはしたくないからと

頭の中で堂々巡りしながら作業する。

 

こういうのはホント難しい。

 

 

ガーベラ / Gerbera



展覧会で〝 花 〟の写真を展示する時

  たまにこんな質問をされる…。

「背景はどうしている?」とか「合成するんですか?」など。

 

〝 花 〟の写真の場合、私は一切合成はしない。

今の時代〝 Photoshop 〟などを使って

花の画像を切り抜いてから背景に合成し

似たような作品をいくらでも作ることができるが

それは所詮〝 写真 〟とは言えないシロモノであり

〝 写真家 〟の〝 敗北 〟でもある。

何でも出来るから余計キリが無い…。

いつも背景とカメラや照明機材を組んでから

その前にちゃんと〝 花 〟を置いて撮影に臨みます。