The Art from Hokkaido by SHIRAKAWA Hiromichi

Japanese artist's gallery and diary

〝 横綱の品格 〟とは…。

 

若い頃には分からなかった…とか、言葉にならなかったコトが、
ようやくこの歳になって自分の中で言葉にできるまでになったコトがある。

 


もし〝 横綱の品格 〟とは?…と、問われたら

 

今の私には、ハッキリこう答える事ができる。

 

 

それは……〝 日本の美を体現すること 〟と。

 

 

日本人の私でさえ若い頃言葉にできなかったぐらいであるから

 

モンゴル人の青年達が理解できなかったのも当然だろうと今更ながら思う。

 


 コロナ禍での大相撲初場所が昨日から始まった。昨夜のスポーツニュースの番組で元稀勢の里の荒磯親方が面白い事を言っていた。現役時代、土俵に入り塩を撒く時いつも〝 美しく撒く 〟にはどうしたら良いか考えて撒いていたそうだ。その瞬間を捉えた写真には美しい曲線に撒かれた白い塩の軌跡が写っていた。たかが〝 塩を撒く 〟コトである……が、力士の一つ一つの動きには神事に関わる意味がある。〝 横綱 〟ともなれば相撲はもちろん、そういう小さな事にも、普段の振る舞いにも〝 美 〟を意識しないといけない。日本の〝 美 〟を理解できない、体感できない〝 横綱 〟は真の〝 横綱 〟とは言えないのだ。スナックに集まり酒飲んで暴力沙汰を起こすなんて事は論外なのだ。そんな〝 横綱稀勢の里も残念ながら短命に終わってしまった。〝 横綱 〟になるまであまりにも時間が掛かり過ぎたのが何とも惜しい。惜しい〝 横綱 〟を失ってしまった。

 

 肝心の今場所だが、ウイルスの影響で二人の横綱を含め65人の力士が休場、更にケガが原因で出れない力士も含めると結構な数になる中での開催となる。新しい年を迎えても相撲界にとってはまだコロナの暗いトンネルが続いて行く。
 両横綱が全盛期を過ぎ引退も目前となった今、日本人の大関や力士達がここでしっかり成長した姿を見せて欲しいところだが、昨日の取り組みを見ているとどうも注目力士の相撲が不甲斐なくピリッとしない。両横綱が今年引退した後、どうなってしまうのか。日本人の横綱が誕生するのは確かだろうが、レベルの低い、不甲斐ない内容の相撲しかとれない横綱じゃぁ……シラケるだろうね。人気がまた盛り下がるような気がしてならない。