The Art from Hokkaido by SHIRAKAWA Hiromichi

Japanese artist's gallery and diary

【三角の山 #4】最悪の〝状況〟は、最高の〝瞬間〟でもある

 

 

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札幌市西区山の手 / Yamanote, Nishi-ku, Sapporo-shi, Hokkaido, JAPAN

 

 

 

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札幌市西区山の手 / Yamanote, Nishi-ku, Sapporo-shi, Hokkaido, JAPAN

 

 

 

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札幌市西区山の手 / Yamanote, Nishi-ku, Sapporo-shi, Hokkaido, JAPAN

 

 

 

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札幌市西区山の手 / Yamanote, Nishi-ku, Sapporo-shi, Hokkaido, JAPAN

 

 

 

もうどのくらいの時間歩いて来ただろう…。

 

 

 

膝上よりもある一面無表情な〝 雪 〟に

一歩一歩〝 足 〟を突き刺しながら

時には立ち止まり、掘り起こし、踏み固め、

帰り道も作りながら

ひたすら道なき道を前へ前へと踏み進めて来た。

このクソ寒いというのに

逆にカラダの中は熱くなっていた。

でも手袋を嵌めてるにも関わらず

次第に中の指は冷たく千切れんばかりに痛みだし

ブーツの中には雪が入り込んで

冷たいのが溶けた後イヤな心地がずっと続く。

息は切れぎれに

飛び込む雪の水滴は眼鏡を曇らせ

泥々と鼻水も止まらず全身びしょ濡れ。

 

もう〝 最悪 〟だ。

 

その間も雪はきれぎれに

風に暴れながら視界を白く遮ってきた。

〝 やめときゃヨカッタかな…〟

〝 ヤバいかな… 〟

〝 もう引き返そうか…?〟

何度か頭をよぎったが

ここまで来たらやっぱり行くしかないとも思った。

ひたすらに木々が生い茂る中を縫うように足を進めて来た。

そしてようやく茂みの向こう側に視界がひらけるのが見えた。

 

目の前には〝 あいつ 〟が俺を待ち構えていた。

 

 

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札幌市西区山の手 / Yamanote, Nishi-ku, Sapporo-shi, Hokkaido, JAPAN

 

 

 

もうこれは〝 最悪 〟だ…。

 

 

 

そんな時ほど

 

他に撮りに来る奴なんていない。

 

そんな時だからこそ

 

被写体を我がモノにし、唯一無二の作品にできる。

 

それは最高に贅沢な時間だ。

 

 

 

最悪の〝 状 況 〟こそが、最高の〝 瞬 間 〟を手にすることができる…。