小樽の展示をしている時だった。
来た客に
『もっと坂を撮ったらどうか…』
みたいな事を言われたことがある。
小樽といえば〝 坂の街 〟という事なんだろうが
そんな事、こっちは百も承知である。
つまり言い換えると
札幌を題材に展示をする時には
クラーク博士の銅像や
道庁の赤レンガ
時計台を並べろということになる。
けっ…。
あまりに発想が貧弱でセンスが無い。
何か意図を持って〝 確信犯的 〟にやったり
街を紹介する目的など
情報の一素材としてなら構わないと思うが
一応〝 芸術 〟を謳って作品を発表している以上
そんな事など吐き気がしてくる。
絶景スポットと言われる場所にズラリと並んで
三脚立てる写真家達のような発想で
作品を一目に晒したくはない。
〝 小樽 〟と言っても
多くの人々が日々の日常を営んでいる街だ。
運河、すし、倉庫…etc。
人々にとってはけっしてそれが生活の全てじゃない筈だ。
だから私は観光客が見逃しているような
小樽の人々の日常の生活や表情、場所、
あるいは当たり前すぎて地元の方も気にも留めないような
しかし誰も見い出せなかった新鮮な〝 何か 〟を
写真で切り取りたいとずっと願い続けてきた。
こんな私でも毎回記事をブログに上げる時には
とにかく安易な方に走らないよう
その内容や構成、テーマなどについて
アーでもないコーでもないといつも考えている。
仮に扱うとしてもそこは充分注意をして
気をつけることにしている。