いうならばこれは単なる〝近所〟のハナシである。
三角の〝カタチ〟をした
たった300メートル足らずのちっぽけな山があるこの街で
生きている〝私の日常〟…… 。
ここは戦場の最前線ではない。
住宅地の隣に巨大な米軍基地がある街でもないし
放射能の汚染水が毎日増えて二度と帰れなくなった場所でもない…。
ここにはただ
人々の〝小さな生活〟と〝日常〟があるだけだ。
同じコトを繰り返すだけのしょうもない〝日常〟。
まるで永遠に続いていくかのような
毎日毎月繰り返される
我々の生活、日常、日々…。
しかし
我々は気が付いた。
それは永遠なんかじゃない。
アッという間に粉々に崩れ去ってしまう
案外〝脆いモノ〟だということを…。
〝しょうもない〟と思い込んでたものが
実はいかに貴くかけがえのないものなのか
この2年で我々は思い知った。
私は見続けてきた。
この〝しょうもない〟と感じていた〝日常〟の中で
10年あまりカメラを向けてきた。
そしてこんなにも目と鼻の先で出逢ってしまったのだ
〝自然〟の雄大さと色彩、変容していくその姿。
それまで気付かなかっただけに
出逢った時の感動は
まるで大きな〝衝撃〟のようだった。
『この世はすべて美しい… 』
私の中でそんな思いがしてくるようだった。
〝写真〟は
けっしてあなたから遠くに存在する
別世界のモノではない。
あなたのそばに数え切れないほど転がっている…。
それに気づけるかどうか
〝写真〟はいつもあなたを試すのだ。