フォルクスワーゲン・W12
1997年から2001年にかけて発表された
〝 フォルクスワーゲン 〟の〝 コンセプトカー 〟である。
こんなデザインのクルマに12気筒のデカいエンジンを積ませるとは
そう………これはまさに、
フォルクスワーゲンのフォルクスワーゲンによる〝 スーパーカー 〟なのだ。
らしくない…。
残念ながら市販化までには至らず彼らの〝 夢 〟は
同じフォルクスワーゲングループ内の
名門〝 ブガッティ 〟の〝 ヴェイロン 〟に受け継がれ
同じくイタルデザインのボディを纏わせて生産・販売にまで漕ぎ着けた。
W12が誕生した今から20年ほど前の20世紀から21世紀の変わり目に
世間ではこんな事がよく言われていた。
経済の〝 グローバル化 〟
社会も〝 グローバル化 〟
企業も〝 グローバル化 〟
経営も〝 グローバル化 〟
人材も〝 グローバル化 〟
教育も〝 グローバル化 〟
大学も〝 グローバル化 〟
学生さえも〝 グローバル化 〟
ネコも杓子も〝 グローバル化 〟しないとこれからは生きていけないんだと…。
〝 グローバル化 〟の〝 お題目 〟を唱えろと
我々は識者やメディアに煽られていた。
そして2020年、
挙げ句の果てに〝 グローバル化 〟はパンデミック拡大に一役買い
我々人類は〝 一億玉砕 〟したのである。
なんて人間は愚かなイキモノなのか。
そしたら今度は真面目な顔して
〝 グローバル化を見直す動きが出ています 〟だってよ。
バカじゃねぇのか…(笑)。
〝 ギャグ 〟だよ〝 ギャグ 〟…。
そのくらいチョット考えりゃわかるコトだろ。
当時世界中で一般の企業も銀行もファッション業界までもが
〝 グローバル化 〟に対応するために一斉に連合を組み、メガ化を進めていった。
当然の事ながら自動車業界もその煽りをモロに受けることになる。
あれから20~25年の月日が経つわけだが
その恩恵を大きく受けた者、
恩恵があったのか無かったのかその効果が見えてこない者、
激しい競争の中で悲喜こもごもの様相が見えてくる。
ファッション業界で言えば
〝 グローバル化 〟により〝 ファッション 〟というモノが一層企業色を濃くする中、
ファストファッションとの熾烈な競争や
有名デザイナーの引退や死亡という出来事も追い討ちを掛けて
20世紀に我々を魅了したARTとしてのファッションが
今では完全にその輝きを失ってしまった。
自動車業界はどうだろう…。
フォルクスワーゲングループは連合化に成功した一例かもしれない。
主要企業には
ブガッティ
ポルシェなど…錚々たるメンツが並ぶ。
このコロナ禍にも関わらずあの〝 超高級車 〟ランボルギーニが
よく売れているというから驚きだ。
カタチにしたのがW12だったかもしれない。
あれから20年余の時が過ぎ、
彼らはどんな〝 夢 〟を見据えているのだろうか。
しかし突然世界はひっくり返ってしまった…。
この世界的パンデミックにより
半ば盲目的に〝 グローバル化 〟を信仰し邁進してきた我々の社会は
〝 行き過ぎたグローバル化 〟に皮肉にも危機を突きつけられた。
今まで通りには行かなくなり、見直しが必要だろうと…専門家や識者は皆語っている。
コロナ後の世界は我々にまた何を吹っ掛けてくるものか…。
コロナ後も彼らは〝 夢 〟を見ることができるのだろうか…。