The Art from Hokkaido by SHIRAKAWA Hiromichi

Japanese artist's gallery and diary

【Toy Cars #4】栄光の赤いバッチ

f:id:art-hokkaido:20201102222052j:plain

HONDA CIVIC TYPE R / Majorette + HotWheels

 

 

 ホンダの赤いバッチ……これはホンダのレース車両だけに付けられる。ホンダが60年代にF1に参戦していた参戦第一期の初年度のマシン〝 RA271 〟に付けられていた事から始まった。〝 RA271 〟は日本初、当然アジアで初めて開発されたF1マシンだ。ここで培われた技術が翌年1965年参戦の〝 RA272 〟型に引き継がれ、メキシコグランプリにおける〝 初優勝 〟というアジア初の快挙に繋がっていく。
 ホンダの創意工夫と地道に積み重ねられた研究開発の賜物と言えるだろうが、にもまして不世出のエンジニアリーダー〝 本田宗一郎 〟の当時無謀と思われていた決断、その決断力がなければ始まらない偉業だった。この赤色のバッチの〝 赤 〟にはホンダが創りあげてきた歴史と文化、モノづくりへの情熱が込められている。そんな〝 栄光の赤〟の称号を与えられたこのCIVICは〝 特別なクルマ 〟であることを意味する。 

 

  

f:id:art-hokkaido:20201102222130j:plain

HONDA CIVIC TYPE R / Majorette + HotWheels

 

 しかし先日残念なニュースが発表された。2021年シーズンを最後にホンダはF1から撤退することを発表した。夕方、普段はモータースポーツの話なんて滅多に取り上げようとしないNHKで速報のテロップが出てきたほどだ。それだけに驚いてしまった。参戦第四期、去年今年とようやく表彰台に上がり結果を残し始めて面白くなってきただけに、本当に残念な事だった。
 百年に一度と言われるクルマの大変革期、社長の会見の言葉を聞いているとホンダは〝キリギリス〟であるより〝アリ〟になることを選んだのだろう。もはやガソリンで性能を競う時代は終りということか。ホンダというメーカーはフェラーリメルセデスとは違う。性能が良くリーズナブルな商品を様々なバリエーションで展開しながら世界中で大量に生産して消費者に提供し、その後のメンテナンス及び次世代の技術を研究・開発するという社会的責任を負っている。もちろん今回のコロナも路線変更を決断させた引き金になったのかもしれない。今このタイミングで発表したのはドライバーに対してというより、エンジンを供給している2チームに気をつかい、体制変更の時間的猶予を与えるためだったように思える。

 

 

f:id:art-hokkaido:20201102222209j:plain

HONDA CIVIC TYPE R / Majorette + HotWheels