The Art from Hokkaido by SHIRAKAWA Hiromichi

Japanese artist's gallery and diary

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 この厄介なコロナ禍にあっても企業は活動を止めることは許されない。歩みを止めることはその企業の〝 死 〟を意味する。世界的に経済活動が鈍った時だからこそ企業は新しい価値や商品を消費者にアピールしないといけない…。


 検査不正、販売低迷、ルノーとの合併トラブル、ゴーン逮捕、そしてこの予想外の世界的なコロナ危機になり日産は株を下げ凋落の一途を辿る中、幹部を刷新して起死回生に出る大きな手を打ってきた。本日16日午前、七代目日産フェアレディーZの〝 プロトタイプ 〟が初披露されたのだ。現行型が発売されてからなんと12年、ファンには待ちに待ったフルモデルチェンジの瞬間だろう。私もいったいどんなカタチで現れるのか興味があった。現行型そしてその前のモデルはあまりにポルシェを意識しすぎたようなデザインがチョットきにくわなかった。昔のようなスリムで尖ったフォルムにしてほしいと密かに期待をしていた。  

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  そして今日その日を迎えたわけだが、事前に出ていた情報通り歴代のデザインを踏襲したようなカタチであった。〝 プロトタイプ 〟ということなので発売時には多少の変更があるかもしれない。私としては、そんなに悪くはないが正直一目惚れするほどではないかなぁ…。未来チックでシンプルな感じなのでチョットおとなしい印象。発売後にはNISMOやリバティーウォークのバージョンが出て、また違った印象に変わるかもしれない。それはそれで期待したい。スポーツカーにしては後ろは随分おとなしいが横や斜めから見るとスポーツカーらしくカッコイイと思う。一番気に食わないのが正面から見た時…。この強調されたかのように存在する〝 ただの真っ黒で真っ四角 〟なフロントグリルの口。BMWやレクサスのように意匠が施された訳でもなく、しかもあんなにデカデカと…。何で真っ四角なんだろう?こんなに真っ四角にしないといけないものだろうか? 真っ四角の何が良いのか?真っ四角なので物凄く印象が硬い。硬すぎる。スポーツカーには躍動感の要素が必要なんだが…。真っ四角だから〝 動 〟ではなく〝 静 〟になっちゃう。前から見ていると、この大きな真っ黒い四角が迫ってくる。こればっかり目に入って来てせっかくモダンで凝ったデザインのヘッドライトが見えてこない。フロントがやけに厚ぼったく見えるので、口はもう少し細長くして下か上に徐々に広がっていくとか、左右両端に大きくなるか小さくなるか…もう少し上手くデザイン処理できないものだろうか。
 日産フェアレディーZと言えば日本を代表するスポーツカーだ。どうせ出すなら素晴らしいものにしてほしいし、デザイナーの自己満足で終わらせて欲しくない。〝 技術 〟の日産だけでなく〝 デザイン 〟でも我々消費者を驚かせてほしいものだ。 

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 やはりというか最後は結果的に、外国人の手でメチャメチャにされた挙句ルノーの〝 餌 〟にされそうになった日本のアイデンティティー。彼らにとってそれまでの歴史や伝統はさほど重要視されない。〝 スカイライン  〟から〝 GT-R 〟をいとも簡単に剥ぎ取ってしまう。もうそんな黒歴史は終わらせよう。日産が復権する鍵は〝 真 〟に日本人らしいアイデンティティーを取り戻すことだと思う。

 

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日産のホームページから

 そしてこれも満を持して発表された日産の新しい電気自動車〝 アリア 〟についても。
 昨年から徐々に各メーカーから新型車がお披露目されているが、共通してどこか未来チックな造形が盛り込まれたデザインになっているような気がする。同様にこの日産の新型車も初めは繊細で未来チックな人目を引くようなデザインだなぁと思った…のだが、
よく見るとこのフロントの感じはホンダのS660のモチーフそのもので、
サイドの滑らかな曲面はマツダの魂動デザインみたいだ…。
なんだか二つの要素を混ぜただけみたいで正直ガックリきた。

たのむよ日産…。