前々回の〝 創成川EAST 〟の話の続きになるが…。
醜いなりにも寂れた地域に新たな人の流れや生活が出来ると、新しい文化ができ歴史が始まる。この街が真に魅力のある街になるにはそれらの新しいものと過去の文化や記憶の掘り起こしがされ、混ざり合うことが必要だ。やがてそれは一本の線のように繋がりその街のアイデンティティへと変化する。
札幌は政令指定都市でありながら、
その歴史は浅い。歴史のない街と言っても言い過ぎではない。
歴史が浅いということは文化も浅い。文化・芸術に厚みがないと言える。
じつに薄っぺらい街だ。
自分にアイヌの血が流れていれば話は別かもしれないが…。
本州に比べ創作においてそれは大きなハンデとなる。
特に美術を志す若い人達にとって大きなハンデだ。
日本人なのに日本の古い美術を学ぶことも、見ることさえも出来ない。
私も若い頃〝 この街には何もない… 〟と失望し、東京に出た輩の一人だ。
本質的にヒトは都会のビルやネオンに憧れるのではない。
文化に惹きつけられる。
大袈裟だと言われるかもしれないが、
文化・芸術の在るか無いかで、その街が生き残れるか死ぬかが決まる…と言ってもいい。
外から有名人やモノを持って来るだけではダメだ。
内なる力、人材を掘り起こせ。
我々は質の高いものを数多く作り出す事が使命であり、
街はそれを残さなければならない。
創り、遺す…。
引き出しの数を増やし、
文化・芸術の厚い層を重ねて行く。
それはこの街の文化的魅力を上げる。
街の活性化や人口流出、少子化問題にも必ず影響してくる。
と、私は信じている。