The Art from Hokkaido by SHIRAKAWA Hiromichi

Japanese artist's gallery and diary

でも…名前がよくない。

 ロケットは上空から落下し海に倒れるように墜落した。そのかわり白い水しぶきが高く舞い上がっていた。
 先日テレビ画面を見ていた私は正直、何度目だ…また失敗かよ…いや、そんな事を言ってはいけない。……ロケットを飛ばすのがいかに難しい事なのかを思い知る。それにしても民間といえどもアメリカとは雲泥の差だ。確か彼らは先日も宇宙飛行士を乗せて打ち上げ国際宇宙ステーションにドッキングしたという実用的なレベルに成功した。しかし日本ではまだ細くてちっちゃなロケット花火みたいのが飛べるか飛べないかの実験をしている不安定なレベル。アメリカのレベルに到達しないまでも産業として運用できるまでどのくらいの時間がかかるのだろうか。アメリカでは今回のスペースX社以外にも参入を検討している企業がありドンドンこの分野の動きが大きく拡がる可能性を感じるが、今現在この日本で民間のロケット開発で実際に動き始めているのは、北海道の企業インターステラテクノロジズ株式会社、彼らのみ。みんな失敗のリスクと可能性の低さに怯えているのか、活性化できない日本の企業文化の中で規模は小さくても彼らの存在は貴重だ。

 それに比べこの10年・20年もの間、日本の大企業達は何をやっていたのだろうか。日本は技術があると言われながら白物家電やテレビ、携帯電話は世界の競争に敗れ、パソコンはブランド力に乏しい。作る力はあってもいつの間に世の中GAFAや他に儲けをさらわれたイメージがある。例えば他にも次世代通信技術5Gの開発において出てくるのは中国の企業の名前ばかりで日本企業の存在感が全く無い。一体どこに目をつけていたのか。研究・開発には金を回さず、リストラや合理化ばかりを推進して、しこたま内部留保を増やしていただけなのだろうか。ITに関しては出遅れた感のある日本だが20年もの時間があったのにいつまでもトップに顔を出せないのは何故か。この20年日本社会の中でIT、ITともてはやされたわりにいつまで経ってもロクな人材が出てこない。世界に通用する人物がいないのは情けない。日本のITって20年やってこんなもんなのか。事業に成功した所謂〝 IT社長 〟という小金持ちは増やしても世界に通用する革新的な奴がいない。聞いた事がない。結局日本のITって目クソ鼻クソみたいな連中ばかりだな。

 それだけに宇宙産業という競争相手がまだそれほど多くはない高技術分野への開拓は、日本の将来に必須だ。日本がこれから生き残るために残された道の一つだろう。素人考えだが例えばインターステラにJAXANASAを退職した技術者とかをアドバイザーに迎い入れる事はできないのか。北海道の悲観的な将来を考える時、工業やハイテク産業が不毛のこの地で民間から挑戦する若い志には私も素直に応援したい。日本のIT分野の連中の様にはならず、なんとか成功して欲しい。…と思う一方でいつも気になるのが〝 momo 〟っていうロケットの名前がなんか気持ち悪い。上空百キロメートルまで飛ばす目標を意味しているらしいのだが。オカマバーかキャバクラのホステス、真夜中にやってるアニメのキャラのようで、どうも飛んで行きそうな感じがしないのは私だけか?