タイトルの言葉は言わずと知れた日本映画の名作、黒澤明監督『七人の侍』の中のセリフである。ある村を野武士から守るために雇われた侍のリーダー、志村喬演ずる〝 勘兵衛 〟が最後の決戦の日の朝に雨が降る中、村を守る侍や村人達に言い放ったシーン。この映画の中で私が一番好きなシーンだ。いつ見ても背中がゾクゾク痺れて目頭まで熱くなるのは私だけだろうか。組織を率いるリーダーには力強い言葉が必要だ。優れたリーダーには優れた言葉がある。感動できる言葉がある。言葉は人の心を変えるのだ。人々はその言葉を待っている。
残り13騎になった野武士を砦と化した村の中に入れ、中と後ろから挟み撃ちにして仕留める作戦。多くの犠牲者を出しながらも泥にまみれながら死闘を繰り広げ、最後に村人達は勝利を収める。
最後の決戦の日は雨だった…。
雨と、泥と、汗と、血と、
勝利か! 死か!
雌雄を決する凄惨なクライマックス!
「映画の予告篇より抜粋」
10月9日水曜、スコットランドはプラン通りにレギュラーのメンバーを温存しながらもボーナスポイントを獲得してサモアに勝利した。相手も準備万端で13日の日曜日の日本戦に臨む。決勝トーナメントに進むため100%剥き出しの力を日本にぶつけてくる。あの怒涛の攻撃を日本は防げるのだろうか。おまけに今日本には超大型の台風19号が接近中である。もしかすると、雨の中で泥まみれの死闘になるかもしれない。それじゃまるで映画と同じじゃないか…。日曜日は日本代表が真の侍になる事ができるのかが試される日になる。日本のラグビー史上、後世に語られる重要な1戦になるのかもしれない。私も俄かファンの一人だが日本の勝利を祈っている。