ガーベラ / Gerbera
ほんの少し毛羽立つ太めで長い茎の先端に
カラフルでまん丸に咲く花がただ一つ。
こういう〝 単純の極み 〟みたいのが一番頭を悩ませる。
誰が写しても同じようなのができてしまうから。
〝 葉っぱ 〟一枚でもあれば画に〝 変化 〟をつけられるのだが
通常我々が店で手に入れることが出来るガーベラは
〝 葉っぱ 〟の付いてないモノがほとんどだろう。
だからライティング変えたり
画面の中で動かしてズラしてみたり……何とかして
自分なりの〝 画 〟に仕上げようとするのだが。
余計なコトし過ぎれば一番大事な部分が疎かになってしまうし…
かといって誰もがやる平凡な〝 画 〟にはしたくないからと
頭の中で堂々巡りしながら作業する。
こういうのはホント難しい。
※展覧会で〝 花 〟の写真を展示する時
たまにこんな質問をされる…。
「背景はどうしている?」とか「合成するんですか?」など。
〝 花 〟の写真の場合、私は一切合成はしない。
今の時代〝 Photoshop 〟などを使って
花の画像を切り抜いてから背景に合成し
似たような作品をいくらでも作ることができるが
それは所詮〝 写真 〟とは言えないシロモノであり
〝 写真家 〟の〝 敗北 〟でもある。
何でも出来るから余計キリが無い…。
いつも背景とカメラや照明機材を組んでから
その前にちゃんと〝 花 〟を置いて撮影に臨みます。